【新型コロナとアベノミクスが大量生産する嫌日外国人】
新型コロナウイルスの感染拡大は一服し、「東京アラート」も解除された。それでも収束を見通せる状況ではないし、零細企業やフリーランス、ひとり親世帯など社会的弱者の不安は消えない。中でも深刻なのが、安倍政権が大量に受け入れている外国人留学生だ。彼らを犠牲者とするデタラメ政策は、日本社会に大きな闇をつくり出す。
新型コロナ禍の陰で「嫌日外国人」が増えている。「定額給付金」などの受給で差別を受けているからではない。給付金は在留外国人も対象となる。そんなことよりずっと根深い搾取構造が存在し、それがコロナによってより顕著になっているのだ。
今回のコロナ禍のような災害が起きると、真っ先に「弱者」が影響を受ける。在留外国人の場合、最も弱い立場にいるのが「留学生」だ。
留学生は安倍政権が誕生した2012年末から2倍近くに増え、約34万人に上る。同政権が「留学生30万人計画」を成長戦略に掲げ、留学生の受け入れを増やしてきた結果である。
「留学生」と聞けば、「優秀な外国人」をイメージしがちだ。政府や大手メディアもそう宣伝してきた。しかし実際には、日本人の嫌がる低賃金・重労働の担い手が数多く含まれる。「30万人計画」の“裏テーマ”とは、「底辺労働者の確保」なのである。
彼らの多くはアジア新興国の貧しい若者たちだ。留学費用を借金して来日し、その返済と学費の支払いのためアルバイトに明け暮れる。日本語が不自由なため、仕事は日本人が敬遠する夜勤の肉体労働が中心だ。留学生に認められる「週28時間以内」の法定上限を超えて働くケースも多い。そうしなければ、留学生活を維持できないからだが、稼いだカネは日本語学校などの学費として吸い上げられる。手元には残らない。その上、職場や学校でひどい人権侵害を受けることも少なくない。
■政権に忖度し問題を放置する官僚
こうした実態があっても、関係省庁は知らぬふりだ。留学生の側が違法就労の後ろめたさから声を上げにくいということもあるが、安倍政権は「30万人計画」を成長戦略として推進している。政権への“忖度”が得意な官僚が、その推進を妨げるような措置を取れるわけがない。
教育業界や産業界と密接につながる与党政治家たちの存在も、さらに“忖度”を強いることになる。
結果、留学生たちは日本で食い物にされ続ける。留学は本来、語学や文化の習得を通じ、日本を好きになってもらうための制度だが、実際には「嫌日」外国人を生み出す結果となっているのだ。
コロナ禍の最中、米国では黒人男性の暴行死をきっかけにデモが全土に広がった。弱者に犠牲を強いるシステムに対し、黒人社会から巻き起こった「ノー」が、それ以外の人種の人たちにも波及しているのだ。
制度的な搾取構造が存在するのは、日本も米国と同じである。やがて日本でも、「嫌日外国人」から「ノー」の声が上がり始めるだろう。
本来は弱者の味方となるべき大手新聞も「不都合な真実」を抱えている。(つづく)
(出井康博/ジャーナリスト)