広島地裁で16日、2019年7月の参院選を巡る選挙違反事件で河井案里氏(46)=自民=の秘書に有罪判決が言い渡され、広島県内の有権者や政界関係者からは、案里氏と夫の克行衆院議員(57)に対する批判が高まった。検察当局による捜査も進んでおり、「議員辞職すべきだ」との声も聞かれた。【池田一生、中島昭浩、関東晋慈、山本尚美】
案里氏の公設第2秘書、立道(たてみち)浩被告(54)の有罪判決を受けて自民党県連の宮沢洋一会長はコメントを発表し、「判決を重く受け止めている。国民からの政治や自民党への信頼に関わることを踏まえ、事実の説明をしてもらいたい」と説明責任を果たすよう求めた。
同党県連副会長である県議会の中本隆志議長は報道陣の取材に「案里氏は重い罪だと認識し、辞職すべき」と批判。夫妻の離党意向にも「早くすべきだった」と冷ややかだった。
案里氏の当選無効につながる連座制の適用が現実味を帯び、その場合は補選となる。「急いで話し合いを持たなくてはいけない」と述べ、県連として候補者擁立の検討に入ることを明らかにした。
参院選で案里氏を推薦した公明党県本部の田川寿一代表は「推薦した人がこういうことになり残念だ。辞職を含め、出処進退を考えるべきだ」と非難した。無所属候補を推薦し議席を争った国民民主党の福知基弘幹事長は「お金で議席を買ったような形になり、県民の政治不信を増大させるような事態だ。罪は重い」と断じた。
案里氏の後援会関係者は、夫妻の離党意向に「2人で話し合ったことなら口出しはできないが、参院選に出る女性は珍しく、女性の社会進出をと応援していたので残念」と話した。
湯崎英彦知事もコメントを発表し「依然として議員本人から何の説明もないのは、誠に遺憾に思う。有権者のためにも、説明責任を果たしていただきたい」と注文した。
有権者からは失望の声
福山市に住む公務員の男性(57)は19年7月の参院選では案里氏に投票したという。秘書の有罪判決に「投票したために余計に心が痛む。秘書が起訴された時点で、案里氏自身が県民の信頼に背いていると感じていた。判決の日に自民党を離党すると伝えられたのは疑問。潔く辞職した方がいい」と固い表情で話した。
広島市佐伯区の主婦、藤原道子さん(72)は参院選で、若い女性というだけでは案里氏に投票できないと感じたという。離党の意向には「したたかなことばかりして、あきれるしかない。自民党がなぜ彼女の選挙に1億5000万円も出し、何をしようとしたのか。そこが一番私たちの知りたいところ。彼女には荷が重すぎましたね」と切り捨てた。