天皇陛下の相談役、一新へ 宮内庁参与に風岡氏ら

天皇陛下の相談役を務める「宮内庁参与」について、渡辺允(まこと)元侍従長(84)ら現在の4人が退き、風岡典之元同庁長官(73)ら3人が新たに就任することが17日、関係者への取材で分かった。近く正式に発表する。陛下が昨年5月に即位されたことに伴い、陛下と年齢が近い参与の必要性が指摘されていた。
現在の参与は渡辺氏のほか、国松孝次(たかじ)元警察庁長官(82)、羽毛田(はけた)信吾元宮内庁長官(78)、竹崎博允(ひろのぶ)元最高裁長官(75)の4人。平成期は皇居・御所(当時)で月1回程度開かれる「参与会議」の場で、上皇ご夫妻、宮内庁長官らと皇室の課題について意見交換。上皇さまのご意向で陛下、秋篠宮さまとも年2回程度会い、相談に乗ってきた。平成22年7月の参与会議では、上皇さまが初めて譲位の意向を公に示されたとされる。
現行の参与は陛下の即位後も継続して務めていたが、84歳の渡辺氏を筆頭に86歳の上皇さまと年齢が近く、60歳の陛下には同年代か、世代の近い参与を選任すべきとの意見があり、宮内庁が人選を進めていた。現行の4人はいずれも交替し、一新される見通し。
参与に関しては、近代では譲位の例がないことなどを踏まえ「上皇さまが気心の知れた相手に相談されるための仕組みが必要」との指摘もあったが、現在の参与が必要に応じ、上皇さまと面会する方向という。
風岡氏は国土交通省事務次官を経て17年4月から宮内庁次長、24年6月から4年4カ月にわたって宮内庁長官を務め、パラオ、フィリピンと2度にわたる上皇ご夫妻の海外戦没者ご慰霊を取り仕切った。上皇さまが譲位の意向をにじませられた28年8月のビデオメッセージの公表に際しても中心的役割を担った。
■「参与会議」位置付けに変化も
関係者によると、平成後期の「参与会議」の中心的な話題は、上皇さまの譲位に関することだったとされる。平成22年7月の参与会議で上皇さまが初めて譲位の意向を示されて以降も、参与会議では度々、譲位が話題に上がった。当初、参与全員が翻意を促したが、上皇さまは譲られず、次第に譲位の在り方について議論が交わされるようになったという。
今後、秋篠宮さまが皇嗣(こうし)となられたことを示す「立皇嗣の礼」の後、政府は安定的な皇位継承策の議論を本格化させるなど、皇室をめぐる諸課題は残るが「天皇陛下が即位した今、当面は差し迫った課題は見当たらない」(宮内庁関係者)とされる。参与会議は上皇さまの譲位前は月に1度程度開かれていたが、新たな参与の元での参与会議は頻度が減る見通しといい、その位置づけが変わることも予想される。

宮内庁参与 皇室の重要事項に関し、天皇に助言する。昭和天皇時代の昭和39年、吉田茂元首相、小泉信三元慶応義塾塾長ら4人が初めて起用され、その後も政官財界や宮内庁長官経験者、学者などに委嘱された。任期や定年、定員はなく報酬も支給されない。宮内庁が人選した上で、最終的には天皇が私的に就任を依頼する。