新型コロナウイルスの感染者が東京都で急増していることを受け、政府が16日、旅行需要喚起策「Go Toトラベル」事業の対象から東京発着の旅行や都内在住者を外す方針を示した。
大阪府を中心に店舗を展開し、観光客の利用も多い串カツチェーンの男性社員は「東京を除外するのは妥当な判断」と受け止める。一方で「大阪も関西の(感染拡大の)震源地になりつつある。今は感染防止策を徹底しながら、地元の客を徐々に呼び戻していく時期。『Go To』を始めるのは早すぎる」と指摘する。
兵庫県の観光部局の幹部も「東京のマーケットは大きく魅力的だが、この状況では仕方がない」と言う。県は「まず近場から」と、7月から近畿や岡山など近隣9府県の在住者向けに宿泊割引クーポン(1人1泊2000円)を発行する独自のキャンペーンを始めた。感染予防策をして営業を再開したばかりの旅館やホテルも少なくない。大阪府内でも状況は悪化しつつあるが、この幹部は「やれるなら、Go Toトラベルも県のキャンペーンも進めたい」と話す。
京都市の代表的な観光スポットの一つ、嵐山の京福電鉄嵐山駅(右京区)前で土産物屋を営む、嵐山商店街の細川政裕会長(58)は「政府は緊急事態宣言の解除以降、国内観光を喚起していく方向性を示していたが、それが揺らいでいるように感じる」と打ち明ける。最近は嵐山商店街の約8割の店舗が営業しているが、観光客の入りは例年の3割程度にとどまっているという。「迷いはあるが、やはり観光客が来ないと私たちは食べていけない。東京以外の道府県からの観光客に向け、嵐山をアピールしていくしかない」と話した。【鶴見泰寿、藤顕一郎、添島香苗】