福岡県福津市の国道で5月、乗用車を運転中に自殺を図ろうと衝突事故を起こし、対向車の男性を殺害したとして、県警は16日、この事故で死亡した同市の無職男性(40)を殺人容疑で書類送検した。容疑者は時速約150キロで対向車線を逆走。長さ約70センチの枝切りばさみをハンドル付近に固定し、衝突のはずみで刃先が喉元に刺さるようにしていた。
送検容疑は5月8日午後11時10分ごろ、福津市宮司浜2の国道495号で、対向車線の軽乗用車に乗用車を衝突させ、軽乗用車を運転していた同県古賀市の会社員男性(32)を多発外傷で殺害したとしている。
現場は片側1車線の中央分離帯のない直線道路。県警によると、周辺の防犯カメラの映像や車の損傷状況などから、容疑者は対向車線を時速約150キロで約200メートル逆走し、軽乗用車と衝突していたことが判明。さらに、軽乗用車が乗用車を避けようと左側にハンドルを切ったが、容疑者も軽乗用車を狙って方向を変えて巻き添えにしたとみて、相手が死ぬ可能性を予見する「未必の故意」があったと判断した。
容疑者は喉の傷などの出血性ショックで死亡した。事故数日前、母親に「死にたい」などと自殺をほのめかしていたという。【浅野孝仁】