新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などで患者や家族を特定し、誹謗(ひぼう)中傷するなどの差別行為が一部で拡散される中、三重県鳥羽市は「STOPコロナ差別 善意のあなたのその言動、差別につながります。」と呼びかけたチラシを作製した。市の窓口や市内の観光・商業施設などに配布し、市民に注意を喚起する。
県内有数の観光地の同市には政府の旅行需要喚起策「Go Toトラベル」で多くの観光客が訪れている。市は「いつ感染者が出てもおかしくない。『コロナ差別』による人権侵害を未然に防止しよう」として市民に呼びかけることにした。
チラシで「実は、こんなことが差別につながります」の例として、「誰が感染したのか公式報道以外の情報を探す(検索する)、SNSなどに書き込む、臆測や推測で感染に至るまでの経緯などをウワサする、などなど」と列記。これらの行動が「デマの発生要因となり、患者らへの人権侵害につながります」と、厳しく批判した。
そのうえで「完全に防げるものでは無いと理解しましょう」、「正しい情報に基づいた冷静な行動をお願いします」と呼びかけ、「悪いのは人でなくウイルス。感染した人を責めるのは『お門違い』です。怒りの矛先を向けるのはウイルスです」と呼びかけた。
チラシを作った市職員の木下大輔さん(25)は「コロナウイルスの感染拡大の中でもっとも恐ろしいのは誹謗中傷などの『人災』の発生だ。だれでも感染する可能性があると理解し、冷静な行動を心掛けてほしい」と訴えている。【林一茂】