5日午前6時5分ごろ、福岡市中央区の大濠公園付近で、公園沿いにある在福岡米国領事館を警備中の福岡県警機動隊員が1頭のイノシシを見つけた。逃走するイノシシを警察官らが追いかけ、公園内の市美術館付近の草むらに潜んだところを捕獲しようとしたが失敗。イノシシは隣接する舞鶴公園(福岡城跡)に逃げ込み、市中心部で逃走を続けたが正午前に捕獲された。
県警中央署によると、イノシシは体長約70センチ。市内では西隣の早良署管内でも5日未明にイノシシ目撃の110番が2件あり、中央署はこのイノシシが出没したとみている。署幹部は「街中で猪突(ちょとつ)猛進して通行人や車にぶつかったら危ない」と話し、注意を呼びかけている。
市総務農林部のイノシシ等対策担当の職員は「大濠公園での出没事例はない」と述べた。市動物園の動物相談員、安河内(やすこうち)清文さん(62)は「イノシシは生き物を求めて水路沿いを移動することがある。生まれてから短く経験の浅いイノシシが餌を探すうちに市中に迷い込んだのでは」と推測する。【田崎春菜、下原知広】