韓国人原爆犠牲者の慰霊祭 コロナで規模縮小、2773人の名簿奉納 広島

広島原爆の日を翌日に控えた5日、広島市中区の平和記念公園にある韓国人原爆犠牲者慰霊碑の前で慰霊祭が営まれ、在日コリアンら約100人が参列した。在日本大韓民国民団広島県地方本部の主催で今年で51回目。新型コロナウイルスの感染を防ぐため参列者を例年の3分の1程度にするなど規模を縮小した。
米軍が広島に原爆を投下した1945年8月6日当時、日本の植民地だった朝鮮半島の出身者も数万人が被爆したとされる。今回は新たに死亡が確認された13人を加えた計2773人の死没者名簿を奉納した。
爆心地から約1・8キロの地点で被爆した男性(90)は「75年たっても、閃光(せんこう)が降り注いだ当時を思い出す。あと20年もすれば被爆者はいなくなるので、若者たちに戦争の悲惨さを学んでもらい、一日も早く核兵器をなくしてほしい」と話した。【広瀬晃子】