東京都杉並区の自宅アパートで2019年3月、保育士の照井津久美さん(当時32歳)が殺害された事件で、殺人と住居侵入の罪に問われた当時同僚の松岡佑輔被告(33)に対し、東京地裁の裁判員裁判は7日、求刑通り懲役20年を言い渡した。下津健司裁判長は「強固な殺意があった。常軌を逸した行動で、被告の意思決定に酌量の余地はみじんもない」と述べた。
弁護側は「第三者が殺害した可能性がある」として殺人罪について無罪を主張しており、被告が照井さんを刺殺したと言えるかどうかが争点だった。
下津裁判長は、照井さん方の遺留物から被告の指紋やDNA型が見つかったことを挙げ、事件当日の照井さんが刺された時間帯に、被告が照井さん方にいたと認定。照井さんの首に圧迫痕があり、体に多数のあざがあることから「被害者は相当程度強く抵抗した」と認めた。
さらに、照井さんの指の爪からは抵抗した際に付着したとみられる被告のDNA型が検出されており、被告の着ていたコートに照井さんの血痕が付いていたことも踏まえると、「暴行を加え、刺殺した犯人は被告であると相当強く推認される」とした。被告が事件後に携帯電話で「自首」などと検索していることが推認を更に強めるとし、弁護側の主張を退けた。
判決によると、被告は19年3月26日、照井さん方に侵入し、帰宅した照井さんの背中を包丁(刃体の長さ約14センチ)で1回刺し、失血死させた。【猪森万里夏、長屋美乃里】