防災科学技術研究所(茨城県つくば市)などは13日、水上に浮き上がる「耐水害住宅」の公開実験を行った。河川の氾濫など水害の発生時に、住宅への浸水を防ぐ効果を見込んでいる。
豪雨や洪水を再現できる施設を使い、巨大な水槽に深さ3メートルまで水を入れながら実験した。通常の住宅は、水位が約0・6メートルに達した段階で玄関などから床上浸水し、最終的に1階の天井まで水が達した。耐水害住宅は船のように浮き、1階部分の浸水を免れた。
耐水害住宅は住宅メーカー「一条工務店」(東京)と開発した。換気口や下水管に弁を設置するなどし、家の基礎部分から水が入らないようにする技術を確立。今年に入り、水に浮く仕組みも完成させた。
耐水害住宅は周囲が水で満たされても、弁の働きなどによって基礎部分からは水が入らない。この結果、室内が空間となって浮力が生じ、建物部分が浮かび上がる。1階部分が水面の上に出て、室内への浸水も防ぐことができるという。
建物の下部には、四隅に強力なバネが取り付けられている。バネは地面に設置したポールに固定されており、浮いた住宅が濁流に流されることを防ぐ。水が引くと、建物はバネに引っ張られ、ほぼ元通りの場所に戻る構造だ。
実験は14日まで続ける。水槽に水を満たした状態を保ち、浸水の有無を確認。14日に水を抜いて、戻り具合を確認する予定だ。
国土交通省によると、全国では2018年、住宅約6万3000棟が水害で全壊・流失したり、浸水したりする被害を受けた。被害額は、家屋の修理だけでも約4200億円に上る。