和歌山県海南市の県立自然博物館で15日、御坊市の工事現場で見つかったガンメンガニの化石の展示が始まった。化石発見によって、見つかった地層の形成推定年代がさらに昔にさかのぼる可能性が出てきたという。11月中旬ごろまで同館の「話題のコーナー」に展示される。【山口智】
ガンメンガニは西日本では約7200万~6600万年前に生息していたとされるカニ。甲羅の見た目が人間の顔に似ていることから、和名でガンメンガニと名付けられた。今回の化石は約2センチの甲羅と足の一部のみが見つかった。国内では大阪府や兵庫県、北海道でも見つかっている。
発見したのは御坊市の松本新一郎さん(71)。2011年3月、同市塩屋町北塩屋の山の造成工事に携わった際、直径25センチほどの丸い石を見つけた。割ってみたところ断面に化石があった。松本さんは「大発見かと思い、胸がドキドキした」と振り返る。鑑定依頼を受けた県立自然博物館などが研究したところ、19年にガンメンガニの化石とわかった。
同館によると、発見場所の地層「丹生ノ川層」はこれまで約6600万~5600万年前に形成されたと考えられていた。しかし、今回、ガンメンガニが発見されたことで、地層は生息推定年代の約7200万~6600万年前、後期白亜紀に形成された可能性が出てきたという。
また、辺り一帯からはこれまで化石が見つかっておらず、同館の小原正顕主任学芸員は「この地域で見つかった初めての化石で貴重な資料になる」と話している。