握手なし・お辞儀で返礼、首脳会談はマスクなし…首相のベトナム外遊

【ジャカルタ=藤原健作、一言剛之】菅首相の初外遊先となったベトナム、インドネシアでは、新型コロナウイルスの感染対策が徹底される中、首脳会談などの行事が慎重に行われた。真理子夫人はファーストレディーとして、初めて表舞台に立った。

「感染症が拡大している中で海外訪問される決断は簡単ではなかったと思う。非常に評価している」
インドネシアのジョコ大統領は20日、大統領宮殿で行われた首脳会談の冒頭でこう述べ、首相の訪問を歓迎した。
インドネシア側の意向で両首脳はマスクを着けたまま会談に臨み、握手はなく、ジョコ氏が両手を前で合わせて頭を下げたのに対し、首相もお辞儀を返した。
一方、感染者数が少ないベトナムでは、「感染を抑え込んでいるベトナム側のアピール」(日本政府関係者)もあり、首脳会談などの公式行事はマスクなしで行われた。ただ、移動中などは首相もマスクの着用を求められた。
日本政府は感染防止策に神経をとがらせた。訪問団は報道関係者を含めて約100人に限定し、首相を含む全員が出国前にPCR検査を受けた。ベトナムでは、首相や外務省幹部らを除く約50人に対し、検査が再度行われた。報道関係者は行事以外でホテルからの外出を禁じられ、自室に弁当が届けられた。