秋田犬がコーギーの尻にガブリと噛みつき、決戦のゴングが鳴った。
犬を散歩中の男性会社員(43)の顔を十数発殴り、ケガを負わせたとして、福岡県須恵町の無職、野田数基容疑者(81)が19日、傷害の疑いで同県警粕屋署に逮捕された。
同日午前6時10分ごろ、自転車で秋田犬を連れた野田容疑者とコーギーを散歩させていた男性が、須恵町の田んぼ脇の路上で出くわした。秋田犬がコーギーの背後から襲いかかり、ガブリとやったため、2人は口論に。男性は激高した野田容疑者が殴りかかってくるのを見て、先に手を出した。野田容疑者も応戦して殴り返すと、犬のリードが男性の足に絡まり、身動きが取りにくくなった。その隙に野田は男性の顔面にパンチを浴びせ続け、前歯を1本ヘシ折った。
男性は自ら「(野田容疑者が)まだ近くにいるので、すぐに来て下さい」と110番。野田容疑者は駆け付けた署員にその場で現行犯逮捕された。調べに対し、「相手が先に殴ってきたので、顔を10発ぐらい殴った」と供述。警察は男性の立件も含めて捜査を進めている。
■30キロの米袋を軽々
野田容疑者は秋田犬保存会の九州総支部長(19日付で解任)を務め、8年前には容姿や美しさを競う、最も素晴らしい犬に与えられる秋保名誉章を受章。メンバー約1000人のうち受章者は10人ほどしかいないという。
「(逮捕された野田容疑者は)今も3町(1周200メートルの運動場約3個分)の田んぼを1人で耕し、30キロ入りの米袋を軽々と持ち上げるぐらいだから、力はある。背は高くないが、体はガッチリしていて70代前半に見える」と近隣住民がこう続ける。
「とにかく短気でキレやすく、プライドが高い。これまでベンツなど高級車ばかりを乗り回していた。スピードは出すし、運転は荒っぽくて、赤信号で止まっている車に向かって『行かんか、さっさと』と怒鳴ったりするそうです。以前、同居する息子の嫁さんが家事をしなかったことに腹を立て、嫁の両親にまで『しつけがなっとらん』と文句を言ったらしい。それで息子家族から総スカンを食らい、身の回りの世話どころか、口も利いてもらえなくなった。精神的に弱っていたようです」
野田容疑者と被害男性の2人はこれまで頻繁にモメ事を起こしていた。野田容疑者の知人男性がこう言う。
「1年ほど前から遺恨があった。野田さんは車で農道を走っていた男性を『この車のかさんか。農道だから、あんたらが通る道ではない』と怒鳴りつけた。相手も40歳ほども年上の野田さんに対し、『コラー、野田、やかましいわ』と呼び捨てにしていたそうです。野田さんは秋田犬を3匹飼っていて、誰がなでても尻尾を振ってじゃれる。ちゃんとしつけをしているのになぜ、散歩中に噛みついたのか」
第2ラウンドがないことを願うばかりだ。