調布市のトンネル工事現場上で道路陥没 インフラ老朽化や自然災害が原因か 専門家「東京は満身創痍」

東京都調布市の東京外郭環状道路(外環道)のトンネル工事現場上で発生した住宅街の道路陥没について、東日本高速道路は現時点で因果関係は不明としつつ、原因が判明するまでは工事を中断した。専門家は、地下インフラ設備の老朽化や自然災害など複合的な要因もあるといい、「東京は満身創痍(そうい)だ」と指摘する。
東日本高速道路によると、陥没は地表部分で発生し、縦約5メートル、横約3メートル、深さ約5メートル。空洞の大きさは約140立方メートルと推定している。現場付近では外環道の東名高速と関越道を結ぶ区間のシールドトンネル工事が地下40メートルより深い地点で行われていた。
土木工学に詳しい公益財団法人リバーフロント研究所技術参与の土屋信行氏は「道路が陥没するということは、地下にスペースができて土が流れているということだ。下水管が老朽化してつなぎ目にできた隙間から土が入っていくこともある。下水管からの漏水が周囲の地面を押すことも陥没の原因になる」と話す。
地下鉄や道路のトンネル工事の影響について土屋氏は「円筒状の大型掘削機で掘り進める『シールド工法』で穴を開ける際に付近の土を引っ張る場合があり、雨水や地下水などで緩くなった土が流れるケースがある」と解説した。
2016年には福岡県のJR博多駅前の道路で大規模な陥没を起こした。今年6月には横浜市港北区の環状2号線でも縦横約7メートルの陥没が発生、地下のトンネル工事が原因とされている。
さらに「地震などで、弱点になっていたところから崩れることはある」と土屋氏。「東京都では超音波を使い計測車で空洞調査をしたり、下水管を交換するなどの作業を進めているが、1964年の東京五輪の後、都市化が進んだところは耐用年数を迎えている。都内は満身創痍の状態だ」と強調する。
いつ何時、リスクが顕在化するか分からない。