密室で2時間半も“吊るし上げ”…菅自民の学術会議批判はネトウヨレベル

臨時国会を前に、“スガ友”が蠢いている。日本学術会議の任命拒否問題から国民の目をそらそうと、自民党が学術会議の在り方そのものに手を突っ込んでいる。学術会議を“悪玉”に仕立て上げようという思惑がミエミエだが、批判の中身は“ネトウヨ”レベルだ。

◇ ◇ ◇

「(世論調査で)学術会議の見直しについては『大いにやるべき』が7割。しっかり議論したい」――。21日、自民党本部で開催された、日本学術会議の在り方を検討するプロジェクトチーム(PT)の冒頭で塩谷立座長はこう発言。やけに「世論」という言葉を強調していた。下村政調会長は「わが党はバッシングしたいと思っているわけではない」と語ったが、穏やかな雰囲気は一切感じられなかった。

ピリピリムードで昼12時半から始まったPTが終わったのは午後3時ごろ。「有識者ヒアリング」という名目で呼ばれた学術会議元会長の大西隆氏をはじめ会長経験者3人は、約2時間半にわたって下村氏や塩谷氏ほか複数議員からネチネチと“聴取”を受けたのだった。

会合では、議員から「会員の選考過程は妥当なのか」「国の機関でなければいけないのか」などと質問が続出。さらには、大西氏が2016年11月、「自衛目的」に限定した上で、大学が自衛隊の装備の研究開発を進めることを認めたことと、17年3月に学術会議が「安全保障技術研究推進制度」への批判を表明したことが「矛盾している」と指摘。SNSでよく見かける“ネトウヨ”並みの追及を続けてみせた。

任命拒否問題の論点ずらし

しかし、そもそも事の本質は、なぜ、菅政権は新会員候補6人を任命拒否したのかということ。

「学術会議は恣意的に会員を選んでいる」「文句を言いたきゃ政府から独立しろ」「言っていることがチグハグ」などと取られかねない指摘は、「論点ずらし」どころか、“難癖”に近い。さすがに大西氏もPT終了後、報道陣に「ちょっと数えきれないくらいの質問があった」と戸惑っていたほどだ。高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。

「学術会議の会員選考については、高い専門性を持った学者が“目利き”役を担うことが重要ですから、会員による推薦は何ら不自然ではありません。そもそも、学術会議は戦時中に学問が利用されてしまった反省から設立されたから、国の機関であることもおかしくない。さまざまな立場から意見が出ることこそ、組織が民主的かつ健全であることを示しています。大西氏と学術会議全体の意見の微妙な食い違いをあげつらうのは、民主主義を理解していない証拠です」

最近は、野党が有識者や官僚を呼んで開催する「野党合同ヒアリング」も、ゲストに配慮して1時間以内で終了している。今回、自民党が2時間半も“聴取”したのは、「政府に盾突くと面倒なことになる」ことを印象付ける狙いもあったのではないか。