2016年の熊本地震で被災した熊本城(熊本市中央区)復興のため、同市の浅野敦子さん(86)が2日、市に1億円を寄付した。「復興城主」となって再建を応援する市の制度を利用した。地震後の個人の寄付としては最高額。浅野さんは「被災した熊本城を見て心を痛めていた。復興に役立ててほしい」と話した。
浅野さんは熊本県山鹿市出身。熊本女子大(現熊本県立大)の3年だった時の論文執筆で、熊本城顕彰会の協力を得て、城の宇土櫓(うとやぐら)の書庫の文献が利用できたことに感銘を受けた。「あの時に勉強の方法や生き方が身についた」。城に出入りして文献を探した経験が、後に独学で司法書士などの資格を取った際にも役立ったという。
寄付金は浅野さんが親族から相続したもの。「私が働いて稼いだものではないから」と、19年12月にそれまで暮らしていた岐阜市から熊本に帰ったのを機に寄付を決めた。目録を受け取った大西一史市長は「熊本城にこれだけ多額の寄付をいただけたのは光栄。これからも元気に再建を見守ってほしい」と感謝した。
市熊本城総合事務所によると、復興城主制度を利用してこれまでに約11万件の企業や個人などから約22億円の寄付があった。37年度まで続く復旧工事に活用する。【清水晃平】