札幌市中央区で2019年6月に当時2歳の池田詩梨(ことり)ちゃんを衰弱死させたとして保護責任者遺棄致死罪に問われた母親の莉菜被告(22)に対する裁判員裁判が11日、札幌地裁(石田寿一裁判長)であり、検察側は懲役14年を求刑した。判決は20日。
論告で検察側は「育児よりも交際相手との遊興や関係維持を優先させた。不合理に否認し、反省が見られない」と指摘した。一方、弁護側は最終弁論で「低栄養による衰弱死」とする司法解剖担当医師の見解に対し「吐いた物を喉に詰まらせた窒息死」と反論し、改めて無罪を主張した。
起訴状などによると、莉菜被告は当時の交際相手で同居していた藤原一弥被告(26)=1審で懲役13年の実刑判決、控訴中=と共謀し、19年5月15日ごろから詩梨ちゃんに十分な食事を与えず、藤原被告から暴行された詩梨ちゃんに治療を受けさせず放置し、翌月5日に衰弱死させたとされる。【岸川弘明】