コロナ感染者増“第3波”でも…「GoTo」止めるな! 識者「重症者対応の努力せずに経済止める議論は本末転倒」

新型コロナウイルスの感染「第3波」に緊張が高まっている。野党からは「Go To キャンペーン」の見直し要求も出るが、元厚労省医系技官の木村盛世氏(感染症疫学)は、「重症者対応の努力をせずに経済を止める議論は本末転倒だ」と訴える。

東京都では15日の感染者数が255人。直近7日間の平均は約305・9人に達した。重症者は3人減の38人だった。大阪府は東京を上回る266人、北海道も209人と、気温が下がるなかで感染拡大が続いている。
木村氏は「呼吸器疾患を引き起こすウイルスの多くは乾燥や低温を好むため、冬場に感染者や重症者は増える。それは一般的な風邪のコロナウイルスや、インフルエンザも同様だ」と指摘する。
新型コロナは感染症法で「指定感染症」となっており、患者は全数報告の対象だ。
木村氏は、2009年に新型インフルエンザが流行した際には、短期間で指定感染症から解除され、患者の全数把握も見直されたとして、「当時も100%有効な治療薬はなかった。新型コロナも早期に指定感染症から解除しないと、医療機関の負担が増えるだけだ」という。普通の病気のように扱うべきだという主張だ。
PCR検査にも課題が多い。陽性を判断する基準値は「Ct値」という数値を使うが、これを高く設定すると、微量のウイルスでも陽性と判断される。日本では40に設定されている場合が多いが、台湾や中国はより低く設定しているという。
「本来、どのCt値が適切かを決めるには時間を要する。また、メーカーごとに精度も異なり、陽性率の差に10倍近くの開きが出る例もあると聞く。目安にはなるが、解釈が難しい」と木村氏は指摘する。
国民民主党の榛葉賀津也幹事長は13日の記者会見で、「GoToキャンペーン」を見直すべきだとの考えを示した。共産党の田村智子政策委員長も「全国一律のやり方はやめるべきだ」とする。
「GoToトラベル」の宿泊者数は10月末までに延べ3976万人。一方で、トラベル利用者のうち感染報告があったのは今月12日時点で138人にとどまっている。
木村氏は「GoTo」を止めるよりも、優先すべき対策があると強調する。
「『GoTo』を止めれば、経済が再び干上がってしまう。国がやるべきなのは民間医療機関に対するコロナ手当の支給や自治体間での患者輸送の体制整備だ。自粛の議論を先行させるのは怠慢としかいいようがない」