最高裁、19年の参院選は「合憲」 1票の格差訴訟で上告棄却

選挙区間の「1票の格差」が最大3・00倍だった2019年7月の参院選は投票価値の平等を定める憲法に反するとして、二つの弁護士グループが選挙無効を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)は18日、「合憲」との統一判断を示し、弁護士グループの上告を棄却した。「国会の格差是正の姿勢が失われたと断じることはできない」と述べ、著しい不平等状態にあったとはいえないと結論付けた。参院選の合憲判断は、16年選挙に対する17年判決に続き2回連続。
参院選の1票の格差を巡っては、15年の公職選挙法改正で「鳥取・島根」「徳島・高知」を一つの選挙区にまとめる「合区」を導入。16年選挙の格差を3・08倍に縮小させた。しかし、19年参院選は埼玉選挙区の定数を2増したのみで行われ、格差の縮小もわずかだった。この点をどう評価するかが焦点だった。
大法廷は、投票価値に著しい不平等状態が生じ、国会が合理的期間を超えて格差是正に動かない場合は違憲とするという従来の違憲判断の枠組みを踏襲した。
その上で、合区導入後の格差是正措置が埼玉選挙区の定数2増にとどまっている点について検討。参院選だからといって投票価値の平等の要請が後退して良い理由はなく、「国会の格差是正の取り組みが大きな進展を見せているとはいえない」と批判した。
一方で、国会内には参院選改革に関する見解の隔たりが大きく、合区の解消を強く望む意見があることを重視した。そうした中での定数2増は「格差是正の方向性を維持するよう配慮したといえる」と評価。解散がなく任期も6年と長い参院の独自性を踏まえると、参院選改革は段階的に進めなければならない面があるとして合憲とした。
裁判官15人のうち10人の多数意見。草野耕一裁判官が「合憲」としつつ新たな違憲審査の手法を提案する意見、三浦守裁判官が「違憲状態」とする意見、林景一、宮崎裕子、宇賀克也の3裁判官は「違憲だが、選挙は有効」とする反対意見を述べた。【近松仁太郎】