優生保護法に基づく不妊手術を強制されたとして、障害を抱える近畿地方の男女3人が国に計5500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、大阪地裁であった。林潤裁判長は、旧法が「極めて非人道的、差別的」と述べ、憲法違反と判断する一方、時間の経過で賠償請求権は失われたとして3人の請求を棄却した。原告側は控訴を検討している。
旧法を巡る訴訟の判決は仙台、東京両地裁に次いで3例目。仙台地裁に次ぐ違憲判断となったが、先行の2例と同じく、賠償請求権が不法行為から20年で消えるとする民法の規定「除斥期間」を理由に請求を認めなかった。
判決によると、原告のうち知的障害のある女性(77)は1965年頃、不妊手術を受けた。他の2人は聴覚障害を持つ70歳代の妻と80歳代の夫で、妻が74年、同意なく不妊手術をされた。
林裁判長は仙台地裁と同様に、同意のない手術を認めた旧法の規定を幸福追求権を定めた憲法13条違反とした。さらに、規定は「障害者らを合理的根拠なく差別するもの」とし「法の下の平等」を定めた憲法14条にも違反するとの初判断を示した。その上で「手術から20年が経過した後の提訴で賠償請求権は消滅した」と述べた。
旧法は「不良な子孫の出生防止」を目的に制定。48~96年まで全国で約2万5000人に不妊手術が行われた。