医療崩壊阻止へ自衛隊投入に期待! ICUの要員確保急務、政府分科会が活用提言 「搬送」「消毒」「診療」集団感染対応に実力

新型コロナウイルス感染による重症者の増加で医療崩壊が懸念されるなか、自衛隊投入への期待が高まっている。政府のコロナ対策分科会(尾身茂会長)は患者の搬送などで自衛隊の活用を検討するよう提言し、菅義偉首相も活動に期待を寄せている。クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」号の防疫でも活躍した自衛隊だが、再び底力は発揮されるのか。 ◇ 国内で1日に報告された死者数は過去最多の41人。重症者数も前日比21人増の493人と9日連続で最多だった。 菅首相と小池百合子都知事は同日の会談で、「Go To トラベル」の東京発着分について、重症化リスクの高い65歳以上や基礎疾患のある人に利用自粛を呼び掛けることで合意した。 日本集中治療医学会によると、2017年度現在、日本の集中治療室(ICU)は7109床とされる。ただ、同学会理事長がICU病床の数に対して「約4倍のマンパワーが必要」と声明を出しており、要員の確保も急務だ。 このため、ICUを含め病床の使用率が高い自治体から、比較的余裕のある自治体への患者や医療関係者の柔軟な搬送態勢も必要となっている。政府の分科会は、「ステージ3」(爆発的感染拡大)相当の対策が必要な地域に関して、患者搬送や医療従事者の派遣などで自衛隊の活用も含め全国的な支援を早急に検討するよう提言した。 重症者への対応は待ったなしだと説くのは、元厚労省医系技官の木村盛世氏。 「冬場は新型コロナ以外の肺炎患者も増える。仮に来年1~2月が感染のヤマ場になった場合、重症者によってICUが逼迫(ひっぱく)し、再び緊急事態宣言を発出する事態にもなりかねない。医療従事者には患者の搬送までは不可能なので、国土交通省と防衛省がイニシアティブをとり、患者搬送の態勢を整えることは急務だ」と指摘する。 活躍が期待される自衛隊は、今年2月のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」号の集団感染でも実力は証明済みだ。自衛隊病院の医官や看護官、薬剤官らがクルーズ船に派遣され、隊員による船内消毒や医療機関への感染者搬送、乗客の診療、個室への配膳など延べ4900人の隊員が46日間にわたり活動したが、1人も感染者を出さず任務を遂行した。 陸上自衛隊三宿駐屯地(東京都世田谷区)内の自衛隊中央病院では9月末時点で約600人以上の患者を受け入れ、症例分析も実施。コロナ対応の初動では、現場と研究の両面で自衛隊の存在が不可欠だった。
新型コロナウイルス感染による重症者の増加で医療崩壊が懸念されるなか、自衛隊投入への期待が高まっている。政府のコロナ対策分科会(尾身茂会長)は患者の搬送などで自衛隊の活用を検討するよう提言し、菅義偉首相も活動に期待を寄せている。クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」号の防疫でも活躍した自衛隊だが、再び底力は発揮されるのか。

国内で1日に報告された死者数は過去最多の41人。重症者数も前日比21人増の493人と9日連続で最多だった。
菅首相と小池百合子都知事は同日の会談で、「Go To トラベル」の東京発着分について、重症化リスクの高い65歳以上や基礎疾患のある人に利用自粛を呼び掛けることで合意した。
日本集中治療医学会によると、2017年度現在、日本の集中治療室(ICU)は7109床とされる。ただ、同学会理事長がICU病床の数に対して「約4倍のマンパワーが必要」と声明を出しており、要員の確保も急務だ。
このため、ICUを含め病床の使用率が高い自治体から、比較的余裕のある自治体への患者や医療関係者の柔軟な搬送態勢も必要となっている。政府の分科会は、「ステージ3」(爆発的感染拡大)相当の対策が必要な地域に関して、患者搬送や医療従事者の派遣などで自衛隊の活用も含め全国的な支援を早急に検討するよう提言した。
重症者への対応は待ったなしだと説くのは、元厚労省医系技官の木村盛世氏。
「冬場は新型コロナ以外の肺炎患者も増える。仮に来年1~2月が感染のヤマ場になった場合、重症者によってICUが逼迫(ひっぱく)し、再び緊急事態宣言を発出する事態にもなりかねない。医療従事者には患者の搬送までは不可能なので、国土交通省と防衛省がイニシアティブをとり、患者搬送の態勢を整えることは急務だ」と指摘する。
活躍が期待される自衛隊は、今年2月のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」号の集団感染でも実力は証明済みだ。自衛隊病院の医官や看護官、薬剤官らがクルーズ船に派遣され、隊員による船内消毒や医療機関への感染者搬送、乗客の診療、個室への配膳など延べ4900人の隊員が46日間にわたり活動したが、1人も感染者を出さず任務を遂行した。
陸上自衛隊三宿駐屯地(東京都世田谷区)内の自衛隊中央病院では9月末時点で約600人以上の患者を受け入れ、症例分析も実施。コロナ対応の初動では、現場と研究の両面で自衛隊の存在が不可欠だった。