大阪市、財政局長ら減給処分 分割試算「捏造でない」

大阪市を四つの自治体に分割した場合、行政コストが年218億円増えるとした市財政局の試算を毎日新聞が報じたことを巡り、市は24日、掲載前に示された記事の草稿を公文書と認識しながら廃棄したなどとして、局長ら幹部3人を減給の懲戒処分にした。一方で、記者会見した市人事室は「試算は理論値で、捏造(ねつぞう)に当たらない」と述べ、松井一郎市長の過去の発言と異なる見解を示した。
処分はいずれも減給(10分の1)で、東山潔局長は6カ月、佐藤晴信・財務部長と中村昭祥・前財務課長(12月1日付で別の局に異動)は3カ月だった。
市人事室によると、東山局長らは9月下旬~10月上旬、取材を受けた日経新聞、大阪日日新聞、毎日新聞の3社に試算を情報提供し、「大阪都構想」の住民投票の投開票(11月1日)の前に、毎日新聞が10月26日夕刊で報じた。
試算は、市の人口を単純に4分割した理論値。市は処分にあたって、記者がメールで送った記事の草稿の画像を3人が共有し、公文書になると認識していたのに、市議から提出要請があった後の11月15日に一部を廃棄したことを重視。住民投票直前に公表された場合の影響を十分に考慮せず、関係部署と連携せずに対応したことも問題視した。「重要」と認められる場合なのに松井市長ら上司の判断を仰がず、結果として市民に誤解と混乱を生じさせたことも理由とした。一方、会見では「重要な場合」に「明確な基準があるわけではない」とも述べた。
松井市長は試算について「恣意(しい)的な捏造だ」などと批判していた。市人事室は処分を決める際に、弁護士3人でつくる市人事監察委員会からも「捏造には当たらない」との見解を得たという。また、「提供の時期が違えば問題になることはなかった」と説明した。
松井市長は処分について報道陣に「政令市を四つの自治体に分けた前例はないし、計算手法もないので捏造と言った。ただ、役所としては仮定の数字として出したものだから数字自体は捏造ではないという判断だ」と話した。【田畠広景】