全国の警察が2020年に認知した振り込め詐欺など特殊詐欺の被害は前年比19・7%減の1万3526件(暫定値)で3年連続で減少し、被害額は12%減の277・8億円と6年続けて減った。警察庁が4日発表した。被害額は最少だった09年の2・9倍の水準で、「依然として深刻な情勢にある」と注意を呼びかけている。
手口別では、自治体職員らを装って「医療費の払い戻しがあるが、キャッシュカードを変更する必要がある」といってカードなどをだまし取る「預貯金詐欺」が30・4%で最多。次いで、封筒に入れさせたカードをすり替える「キャッシュカード詐欺盗」が20・9%だった。
摘発した件数は前年比556件増の7373件で過去最多を更新した。被害のうち検挙に至ったのは54・5%。摘発されたのは203人減の2658人だった。リーダー格は17人増の76人で、暴力団関係者は4割近くに上る。
新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛で家に一緒にいる家族が詐欺に気づいて被害が減る一方で、在宅時間が増加して電話を受ける機会が増えた側面もあるという。
「給付金を口座に振り込むので通帳などを用意してほしい」などとコロナに関連した特殊詐欺の認知件数は55件で、被害額は約1億円だった。13件を摘発した。
特殊詐欺グループが高齢者らから資産状況などを聞き出そうとする「アポ電(アポイントメント電話)」は9万8757件だった。都道府県別では東京が3万1334件で最多で、埼玉9529件、千葉9478件、神奈川7469件と続いた。アポ電の後に強盗被害があったのは前年と同じ11件(けがは5人)で、10件を摘発した。【町田徳丈】