北新地にぎわいなくても二重駐車横行 運転手「行くところない」

キタの歓楽街・北新地の周辺でタクシーや乗用車の「二重駐車」が問題になっている。夜になると、走行車線をふさぐ客待ちのタクシーなどが後を絶たず、苦情が相次いでいる。違法営業とみられる業者も確認され、大阪府警天満署が取り締まり強化に乗り出している。
2月中旬、金曜日の深夜。緊急事態宣言下の北新地にいつものにぎわいはないが、それでも営業を続ける一部の店舗には客が出入りする姿があった。北新地に面する国道2号や御堂筋では、客待ちのタクシーが長い列を作っている。
片側3車線の2号では、許可を受けた場所で列をなすタクシーの外側の走行車線にもタクシーや乗用車が並ぶように止まっていた。車線の一部がふさがり、見通しの悪さから事故の危険性は増す。
新型コロナの影響でタクシーの台数自体は減っているが、列に並んでいた運転手(75)は「コロナで他に行くところもない。新地も閉めている店が多いが、このあたりで一番人が多い街であることに変わりはない」と話した。別の運転手は「二重駐車の多くは店が契約している送迎用の車。最近は北新地も高級店でないキャバクラなどが増え、そういう車も増えている」と事情を語った。
天満署によると、北新地周辺では二重駐車などの違法駐車が横行している。署には2019年に約300件の苦情が寄せられ、20年も約200件に上った。この地域では過去4年間に年約20~60件の交通事故も起きているという。二重駐車している車の中には、無許可でタクシー営業する「白タク」もあり、同署は取り締まりの過程で男性運転手(67)を道路運送法違反の疑いで逮捕した。
2月中旬には、天満署とタクシー団体、近畿運輸局などが合同で啓発活動を実施。「タクシーの交通事故が多発」「二重駐車は危険」と書かれたチラシを運転手らに配布した。署の幹部は「また人出が増えればタクシーも爆発的に増える。根本的に解決すべき問題で、今のうちに解消に向けて動く」としている。今後も指導や取り締まりを続けていく方針だ。
店主らで作る北新地社交料飲協会の徳永真介理事は「二重駐車があると町の雰囲気も良くないし、歩行者が見えにくくて危険。中には悪質な運転手もいる。取り締まりで安全面もマナーも改善されたら」と期待を寄せる。【榊原愛実】