NTTによる総務省幹部の高額接待問題で、週刊文春(電子版)は10日、安倍内閣で総務相を務めた自民党の野田聖子幹事長代行と高市早苗衆院議員も在任中に同社側から接待を受けていたと報じた。坂井学官房副長官と寺田稔衆院議員も総務副大臣時代に接待されていた。立憲民主党などは国会で追及を強める構えだ。
立憲の白真勲参院議員は同日の参院予算委員会で、武田良太総務相も接待を受けたことはあるかとただした。武田氏は「国民が疑念を抱くような会食・会合に応じたことは一切ない」などと、あいまいな答弁を繰り返した。立憲などはこれに反発し、同日の審議を途中で打ち切った。共産党の志位和夫委員長は記者会見で「誠実な答弁とは言えない。きちんと答える必要がある」と指摘した。
文春によると、野田氏らの接待の舞台は総務官僚と同じ東京都内の会員制レストラン。野田氏は2017年と18年に立川敬二NTTドコモ元社長らから、高市氏は19年と20年に澤田純NTT社長らから接待を受けていた。
高市氏は自身のホームページで「在任中は割り勘や全額当方負担を徹底し続けた。会費を超えるような食事や飲み物が出されていたとしたら(NTT側の)約束違反だ」と指摘。料金と会費の差額があれば至急支払うと説明した。
文春は野田氏ら4人以外に、退任後に接待を受けた政務3役経験者が少なくとも15人いると指摘している。加藤勝信官房長官は記者会見で「報道を承知していないので、答えを控える」と述べた。
[時事通信社]