徳島・勝浦でまた恐竜の化石発見 白亜紀前期の地層から2点

徳島県立博物館(徳島市)は11日、勝浦町にある白亜紀前期(約1億3000万年前)の地層から、獣脚類のものと見られる肢骨(しこつ)など、2点の恐竜化石が見つかったと発表した。これまでに町で見つかった恐竜化石は計16点となった。今回の化石は、4月23日から県立21世紀館(徳島市)で一般公開される。
博物館によると、化石は2020年10、11月、勝浦町のボーンベッド(恐竜化石含有層)で発見された。一つは長さ約10センチ、幅約1センチで、骨の内部が空洞になっている特徴から、獣脚類の可能性が高いという。詳細な部位は不明だが、前脚か後ろ脚の一部で、全長最大約2メートルの個体と推定される。同じ地層で見つかった獣脚類化石では、18年に見つかったすねの骨(長さ約19・5センチ)に次ぐ大きさという。
もう一つは、筋肉と骨をつなぐ腱(けん)化石(長さ約4・5センチ、幅約0・6センチ)で、イグアノドン類など、腱組織を骨質化させる特徴を持つ鳥脚類の可能性がある。個体の大きさは不明。
また、18、19年は山の斜面下部で発掘調査したが、20年に斜面上部を調査したところ、今回の2点を含む多数の化石が見つかったため、ボーンベッドが斜面上部まで広がっていることが確認された。【岩本桜】