カタールの銀行が発行した他人名義のプリペイドカードを使って日本で家電を不正に購入したとして、警視庁組織犯罪対策1課は12日、スリランカ国籍の無職、カルボーウィラゲー・プラボーダ・ラクシャーン・アルウィス容疑者(23)=千葉県神崎町郡=を詐欺などの疑いで逮捕したと発表した。
残高がない状態のプリペイドカードでも、決済端末がクレジットカードと誤認識していたとみられる。こうした不具合のある端末が日本の店舗で使われていることを狙い、2020年8月以降、30店舗で家電など少なくとも数百万円超を詐取したとみて調べる。
逮捕容疑は20年9月30日、東京都新宿区の家電量販店で、カタールの銀行が発行した他人名義のプリペイドカードを使い、パソコンやスマートフォンなど15点(計約145万円)をだまし取ったとしている。「カードは知人から受け取り、(詐取した)一部の商品をもらった」と容疑を認めているという。
同課によると、事件に使われたのは、別のスリランカ人がカタールに出稼ぎした際に現地の銀行が給与の支払い用に発行したプリペイドカードだった。出稼ぎを終えて帰国したスリランカ人から不要となったカードを回収した人物が、日本国内のブローカーにカードを渡したとみて、詳しい経緯を捜査している。【柿崎誠】