兵庫県尼崎市の市立尼崎高校で水泳部の女子生徒が部員からいじめを受け、不登校になった問題で、当時の教頭らが生徒の転学願を無断で作成し、転学理由の欄にいじめの事実を記載せずに「一身上の都合」と記していたことが17日、分かった。会見した同市教育委員会の松本真教育長は「結果として、隠蔽(いんぺい)ととられても仕方ない不適切な処理だった」と述べた。
市教委や調査にあたった第三者委員会によると、いじめを受けていたのは、平成29年当時に1年生だった部員の女子生徒と、令和元年当時に2年生だった部員の女子生徒の2人。部員から仲間外れにされるいじめを受けた。いずれも本人や保護者から顧問に相談があったが、被害生徒の方に部員の前で謝罪させるなど学校側が不適切な対応を取っていた。2人とも精神疾患と診断され不登校となり、転学を余儀なくされた。
転学願の無断作成があったのは平成29年のケースで、30年3月にこの生徒が他校へ転学する際、当時の教頭が生徒の氏名、住所、転学先までを記入。転学理由の欄は教頭の指示により、当時の担任教諭が「一身上の都合」と記入した。書類には本人や保護者の押印がなく不審点があったが、当時の校長は確認を怠り、書類を決裁した。
転学願は本来、生徒本人や保護者が記入するもの。転学の際に提出してもらい、学校で保管することが市の規則で定められている。市教委の聞き取り調査に対し、教頭は「自分が手続きを任されているものと思って作成した」と、捏造(ねつぞう)や隠蔽の認識はなかったと説明しているという。
市教委は2月26日付で教頭を停職1カ月、担任教諭を戒告、校長を訓戒の処分とした。
第三者委は調査報告書をまとめ、学校側のいじめに関する認識が甘く、結果的に問題を放置することになったと指摘。会見では「レベルが低すぎる。市教委も含め組織として対応する体制を強化する必要がある」と提言した。