菅首相の長男が勤める放送事業会社「東北新社」と、総務省との国会を舞台とした対立が泥沼化だ。放送法が定める外資規制違反だったにもかかわらず、東北新社のBS事業が総務省から認可を受けていた問題を巡る“水掛け論”は始末に負えなくなってきた。
東北新社の中島信也社長は「木田由紀夫前執行役員が同年8月9日ごろ、総務省側に規制に抵触している恐れがあると報告した」と説明。当時、担当の衛星・地域放送課長だった井幡晃三氏が休暇中で不在だったため、木田氏は代わりに情報流通行政局総務課長だった鈴木信也氏に伝えたという。
ところが鈴木氏は「記憶にない」と否定。“言った言わない”の問題に発展する中、17日は新たな食い違いが露呈した。
総務省の原邦彰官房長が出勤簿と本人に確認した上で、「17年8月当時(井幡氏は)出勤していた」と反論したのだ。
ここまで両者の言い分が異なると、もはや当時の状況は“ヤブの中”。だったら双方とも嘘をついたら偽証罪に問われる恐れがある証人喚問を受け入れ、シロクロをハッキリさせた方がいい。その際、鍵を握るのは、井幡氏だ。
「井幡氏は19年2月から20年8月までの間に、東北新社から計5回も接待を受けていた。回数では、菅首相のお気に入りの谷脇康彦前審議官を上回る。木田氏とはサシで3回も会食。菅首相の長男との会食にも同席している。井幡氏が新たなキーマンとみられています」(永田町関係者)
日替わり状態でキーマンがコロコロ代わるものだが、立憲民主党の小西洋之議員は17日、中島氏の説明が事実と異なる可能性があるとして証人喚問を要求。野党は他にも、木田氏ら東北新社側と総務省の井幡氏ら関係者全員の証人喚問を求めている。疑念を晴らしたいなら、断る理由はないはずだ。