サル山最後の1匹、自力で立てず…ヘルニアの可能性

広島県尾道市の千光寺公園内のサル山で飼育され、最後の1匹となった雌のニホンザルの足腰が立たなくなった。20年以上いる高齢のサルで、ヘルニアを患ったとみられる。18日に動物病院を退院後、サル山の小屋で静養を余儀なくされており、管理する市観光課は「人間なら90歳を超える年齢とみられ、そっとしてあげてほしい」としている。(佐藤行彦)
同課によると、サル山は1970年、同公園の西側にオープンした。古い記録が残っていないが、多い時には数十匹飼育していたとされる。2006年には6匹、11年には雄雌の2匹に減少。14年に雄が死に、今の雌1匹となった。
ニホンザルの寿命は25年程度とされ、世話をしていた人の話などから、この雌は00年頃にはいたらしい。名前はなく、近所の人らからは「オイ」「もんちゃん」「ななちゃん」などと呼ばれているという。
13日にサル山で動けなくなっているのを市民が見つけ、観光課に連絡。意識ははっきりしているものの腰から下が動かなくなっていた。職員が市内の複数の動物病院に診察を依頼したが、「対象外」などと断られた。
15日に診察してくれる動物病院が見つかり、入院した。獣医師が両足を触ったが反応がなく、レントゲンを撮っても骨折はしていなかった。ヘルニアの可能性があると診断され、痛み止めの薬を与えられたという。
病院ではそれ以上の治療が難しく、サルは18日に退院し、サル山の小屋で静養することになった。後ろ足に引きずって付いたとみられる擦り傷があったため、小屋の中にシートが敷かれた。自力で立つことはできないが食欲はあり、職員が与える野菜をおいしそうにほおばっているという。
中原一通・市観光課長は「長年市民にかわいがられてきた貴重な存在。高齢だが、なんとか回復してくれることを願っている」と話している。