愛知県の大村秀章知事のリコール(解職請求)運動を巡る不正署名問題で、県警は24日、署名活動団体「愛知100万人リコールの会」の元事務局事務所(名古屋市東区古出来1)を容疑者不詳のまま地方自治法違反(署名偽造)容疑で家宅捜索した。県警は既に関係者から任意で事情聴取を進めており、事務局側の不正の関与の有無などを慎重に調べている。
県警は今年2月、同容疑で県内64自治体の選挙管理委員会に保存されていた約43万5000人分の署名簿を差し押さえ、偽造の手法や規模などの分析を進めている。
事務局が提出した全43万5334人分の署名のうち、県選管は83%にあたる約36万人分を無効と判断。同じ人が書いたと疑われる署名が90%、選挙人名簿に登録のない署名が48%あり、県選管は容疑者不詳で県警に刑事告発していた。
不正署名を巡っては、事務局幹部の依頼に基づき、名古屋市の広告関連会社が下請け会社を通じて佐賀県でアルバイトを募集していた疑いが浮上。事務局幹部は毎日新聞の取材に関与を否定している。
リコール運動は2019年に開催された国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」が発端。昭和天皇の写真を燃やす場面がある作品などが展示されたことを巡り、美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長や名古屋市の河村たかし市長らが、芸術祭実行委員会会長だった大村知事の対応を批判し、運動に発展した。高須氏と河村市長はいずれも不正署名への関与を否定している。【佐久間一輝、高井瞳】