医療従事者向けワクチン「注文量の3分の1しか届かず」、県に苦情相次ぐ

医療従事者向けの新型コロナワクチンの配送を巡り、神奈川県内の複数の医療機関で注文通りの分量が届かない事態が起き、県に問い合わせや苦情が相次いでいたことが分かった。県は各医療機関にワクチンの供給見通しをより具体的に伝えるとともに、担当職員を増やして相談体制を強化する。
医療従事者らへのワクチンの優先接種は先月に始まったが、県内では医療機関へのワクチン配送がようやく本格化したところだ。県は先週月曜の19日から、事前に注文を受け付けた病院や診療所に、川崎市と厚木市にある配送センターを通じてワクチンを供給している。
担当課によると、先週中に国から届く予定だった約8万1000回分を含め、計約12万回分の在庫を確保したはずだったが、19日当日用だけで約4万8000回分の注文があったうえ、国からの供給が数日遅れたことなどが重なり、希望数が行き渡らなかったという。
コロナ患者を受け入れている横浜市内の病院の担当者は取材に、「19日には注文量の3分の1しか届かず、院内の各部署にお願いして接種計画を再調整せざるを得なかった。県は供給計画と日程を公開してほしい」と苦言を呈した。
県内市町村では、高齢者向けワクチンの集団接種などの予約受け付けが始まりつつあるが、医療従事者向けとは別枠で供給されるため、影響はないという。