地元で名をはせた資産家野崎幸助さん=当時(77)=を殺害した容疑で、元妻の須藤早貴容疑者(25)が28日、逮捕された。年齢の離れた夫婦に何があったのか。「まさか」。和歌山県田辺市の事件現場や、札幌市の同容疑者の実家近くでは、住民に驚きが広がった。
同日午前、高い塀に囲まれた野崎さん宅周辺には報道関係者が十数人集まり、物々しい雰囲気に包まれた。近くで働く電気工事業の男性(54)は、須藤容疑者について「髪が長くてスタイルがよかった。孫くらい年齢が違うし、(最初は)奥さんとは思わなかった」と語る。
事件から3年近く。男性は「なかなか解決しないだろうと思っていた。(捜査が)進んで良かった」と胸をなで下ろした。近所の主婦も「よく分からない事件で、覚せい剤がどうとか言われていて怖かった。はっきりしてほしいと思っていた」と話した。
札幌市北区の須藤容疑者の実家周辺では、近所の女性が「小中学生の頃はきょうだいと鬼ごっこやバドミントンをして遊んでいた。素直であいさつをする子だった」と振り返った。これまでの報道で見た同容疑者は派手な服装をしていたといい、「子どもの頃とは別人のようだ」と話した。
[時事通信社]