新型コロナウイルス対策として4都府県に発令中の緊急事態宣言を政府が延長する方向で調整に入ったことを受け、日本音楽事業者協会、日本音楽制作者連盟、コンサートプロモーターズ協会、日本音楽出版社協会の音楽4団体は5日、政府に無観客開催要請の撤廃を申し入れる声明文を公表した。
声明文では、2020年5月の緊急事態宣言解除以降、1年近くにわたり、団体に加盟する社のコンサートや演劇などの公演会場からのクラスター発生は報告されていないと指摘。「お客さまのご協力のもと対策を徹底することで、感染者報告ゼロのエビデンスを積み重ね、ライブやコンサートの公演会場は決して感染リスクの高い場所ではないことを実績によって示してまいりました」と訴えた。
20年の市場規模が前年比8割減となり「公演に従事する人たちの生活も危機に直面しています」と主張。「表現という人間の生み出す創造は余人をもって代えることのできない生業です。一人ひとりがその文化創造に携わり支え続ける誇りを持ってやってきておりますが、残念ながら精神的にも限界が来ています」と悲痛な声を上げた。「さらに万全な対策を講じ公演を開催してまいる所存です」と、観客を入れての開催に理解を求めた。
全興連も営業を続けられるよう陳情
全国の映画館や劇場、寄席などで作る「全国興行生活衛生同業組合連合会」(全興連)も6日、緊急事態宣言の延長が検討されていることに対する見解を発表。無観客開催や休業要請の是正を求めるとともに、一定の制限があっても営業を続けられるよう、陳情などで訴えていくことを明らかにした。
施設内の感染リスクについて「感染拡大防止策を十分に講じた上で通常通りの営業を行い、客の感染事例は一件も確認されていない」と主張。映画館の場合は、宣言が出ていない他県の施設に移動することで、むしろ「人流の増加」につながる可能性さえあり、「人流の抑制という政策に合致しない」と訴えた。実際に今回、宣言中の都府県の近隣では大幅な動員の上昇が見られたという。
寄席や演芸場については「無観客開催が不可能で、やむにやまれず営業をしていたところ、都からさらに休業要請があり、今月1日から休業している」と説明。感染防止対策を再徹底した上で「他業種に比しても非常に厳しい要請をされている現状の是正も訴えていきたい」としている。【中嶋真希、油井雅和/デジタル報道センター】