豪雨で行方不明の「カッパちゃん」、線路の土砂から9か月ぶり救助

昨年7月の豪雨の影響で全線不通が続く「くま川鉄道」の川村駅(熊本県相良村)で、被災後に行方不明になっていた陶製の置物「カッパちゃん」が、線路に積もった土砂の中から約9か月ぶりに救出された。壊れた部分はなく、改めてホームに設置され、乗客が戻る日を待っている。(前田敏宏)
同社によると、「カッパちゃん」は宮崎県の施設から寄贈された置物で、高さ約90センチ、幅約45センチ、奥行き約35センチ。相良村を流れる川辺川にはカッパにまつわる伝説が残っていることから、観光列車「田園シンフォニー」が運行を開始した2014年に駅改札口に設置。多くの乗客を見送り、マスコットとして親しまれてきた。
昨年の豪雨で、川村駅には濁流が流れ込み、ホームの砂利がえぐられ、線路にも土砂が流入。駅近くの国登録有形文化財・球磨川第四

橋梁
( きょうりょう ) は流失した。
「カッパちゃん」も行方が分からなくなっていたものの、従業員が昨夏に現地を視察した際、線路上に積もった土砂の中に特徴的な緑色の胴体を見つけていて、業務に余裕ができた4月上旬に掘り出したという。
企画営業課長の下林孝さん(50)は「無事だったことに安心している。今後は災害がないことを祈り、早期の復旧を見守ってもらいたい」と話している。