梅雨前線の影響で、九州各地では21日朝まで激しい雨が降った。熊本県八代市では、崩落した道路に車が転落するなどの被害が出た。
21日午前4時50分頃、同市坂本町川嶽の球磨川沿いを走る国道219号で路肩が崩落し、軽トラックなど車2台が転落した。運転していた男性2人(いずれも八代市)は、消防隊員に救助され、市内の病院に搬送された。2人とも意識はあるという。
県警八代署の発表によると、現場は片側1車線で川側の部分が長さ約60メートル、幅約5メートル、高さ約12メートルにわたり崩落した。昨年7月の九州豪雨以降、地元住民や工事関係者以外は通行禁止の区間で、男性2人は工事関係者だった。
一方、同県球磨村は20日午後8時半頃、球磨川の渡水位観測所で氾濫危険水位を超えたため、同8時42分に「避難指示」を発令。避難所6か所を開設し、最大で33世帯67人が身を寄せた。その後、水位が下がり、21日午前1時40分に解除した。
村によると、午前8時半現在、土砂崩れによる通行止めで
告
( つげ ) 地区内の1集落6世帯が孤立状態だという。
大雨の恐れがなくなったとして、熊本、鹿児島県などに出されていた避難指示は全て解除された。気象庁によると、21日午前11時までの24時間雨量の最大値は、熊本県五木村251・5ミリ、北九州市小倉南区91・5ミリで、いずれも5月の観測史上最大を更新した。
22日は山口県や九州北部では高気圧に覆われておおむね晴れ、九州南部では気圧の谷や梅雨前線の影響で曇りや雨になる見通し。