愛知、三重両県を中心に全国で5000人以上の死者・行方不明者を出した伊勢湾台風の上陸から26日で60年となるのを前に、三重県四日市市のホテルで21日、追悼式典が開かれた。当時被災した住民ら約200人が出席し、犠牲者に黙とうをささげた。
追悼式典では、鈴木英敬・三重県知事が式辞で「日本の災害史を塗り替えた伊勢湾台風の被災経験や教訓から学び、県民の命や暮らしを守ることを誓いたい」と述べた。住民110人以上が死亡した四日市市の森智広市長は「教訓を無駄にすることなく、被害の未然防止につなげたい」と誓った。その後、住民らが献花し、被災者4人が体験や教訓を伝える対談を行った。
伊勢湾台風は、1959年9月26日に和歌山県・潮岬に上陸し、紀伊半島を縦断。伊勢湾で記録的な高潮が発生するなどし、三重県内では死者・行方不明者1281人、負傷者5688人と甚大な被害が出たほか、家屋の損傷などで経済損失は約1800億円に上った。