【独自】関東大震災の震源「相模トラフ」、高層ビルや橋の揺れ予測し公表へ…「次」の震災に備え

関東大震災の震源となった相模トラフ沿いで再び巨大地震が発生した際に首都圏が受ける「長周期地震動」の影響について、内閣府が年度内にも高層ビルや橋の揺れなどの想定を公表する方針を固めた。関東大震災から100年近くたっており、供用期間が長い建物は今のうちから「次」に備える必要があると判断した。都心の高層ビル群は、一層の耐震対策を迫られる可能性がある。
長周期地震動は、周期(揺れが1往復する時間)が2~3秒より長いゆっくりとした揺れ。ブランコの揺れと押すリズムが合うと、どんどん揺れが大きくなるように、高層ビルや橋などの大規模構造物が大きく揺れる場合がある。
相模トラフ沿いでは、マグニチュード(M)8程度の巨大地震(平均発生間隔180~590年)が想定されている。関東大震災(1923年、M7・9)からの経過年数は100年弱で平均発生間隔に達していないが、大規模構造物には供用期間が100年を超えるものもあり、長期の対策が不可欠だ。補修に多大な費用と手間がかかるため、設計段階から次の巨大地震を考慮する必要がある。
このため内閣府の有識者検討会は、関東大震災で倒壊した住宅や墓石から推定した各地の震度、地盤の隆起・沈降記録、東京大に残る地震計データなどを基に影響の検討を進めてきた。
長周期地震動を巡っては、内閣府が2015年、国内で想定される巨大地震のうち、南海トラフ地震(M8~9級)の影響予測を初めて公表した。東京23区では高さ200~300メートルのビル最上階の揺れが最大2~3メートルに達するとされた。
内閣府による今回の影響予測はこれに次ぐもので、震源が首都圏に近いため、さらに大きく揺れる可能性が高い。長周期地震動は数百キロ・メートル離れた場所にも影響を及ぼす場合があり、広域で警戒が必要となる。
検討会座長の平田


( なおし ) ・東京大名誉教授は「高層ビルが集積する首都圏は甚大な被害が出る恐れがあり、事前対策が不可欠。生活基盤が壊れるリスクを理解する必要がある」と指摘する。
◆相模トラフ=相模湾北西部から房総半島沖を経て日本海溝まで延びる長さ約300キロ・メートルの海底の溝。陸のプレート(岩板)の下に海のプレートが沈み込む場所で、巨大地震の震源域になる。トラフとは、深さが海溝(水深6キロ・メートル以上)に満たない窪(くぼ)んだ海底地形を指す。