仙台市教育局は20日、同市宮城野区の市立中学校で、同校であったいじめ事案の被害生徒ら計23人分の氏名や事案概要などが裏面に印刷されたプリントを誤って別の生徒1人に配布したと発表した。同校はプリントを回収し関係生徒や保護者に謝罪。市教委は関係教諭の処分を検討している。
同教育局によると、今月5~6日、国語科の男性教諭が2年生の3クラスに裏紙を使った漢字テストの模範解答用紙81枚を配布。うち1枚の裏面に、同校で発生したいじめ事案6件の被害生徒6人を含む23人分の氏名や事案内容、指導経過などが記載された一覧表が印刷されていた。
プリントを受け取った生徒の保護者から13日に学校へ連絡があり発覚。学校側は破棄された9枚を除き計72枚を回収したが、ほかに個人情報の記載は確認されなかった。
一覧表は、同校で発生したいじめ対策のため、今年6月の担当者会議で使われた「平成30年度いじめ事案集計表」の一部。何らかの原因で同校印刷室の裏紙入れに混入したとみられる。
市の指針では、外部へ発出する学校文書に裏紙を使うことを禁止している。81枚のプリントを印刷したのは別の男性教諭で、配布した教諭とともに指針は認識していたが、「(裏紙を)有効活用したかった」などと話しているという。
杉山勝真・学校教育部長は「個人情報の適切な取り扱いに向けて再発防止に取り組むとともに全教職員挙げて信頼回復に取り組む」と陳謝した。【遠藤大志】