ワクチン接種で90代女性に使用済み注射針を再使用 奈良市

奈良市は9日、高齢者施設を対象にした新型コロナウイルスワクチンの集団接種で、90代の女性1人に使用済みの注射針を再使用するミスがあったと発表した。今のところ、この女性に健康被害は確認されていないという。
7日に市内の施設で入所者19人、職員5人の計24人にワクチンを接種した際、終了後に未使用のワクチンが入った注射器1本が残ったことで発覚した。県のマニュアルに反し、看護師1人が使用済み注射器の針にキャップをつけ、この注射器を別の看護師が使っていた未使用の注射器のトレーに置いたことが原因という。
市によると、対象者24人のうち23人には注射器に薬液が入っていることを確認してから接種した。一方、90代女性は接種時に暴れたため、制止しながら接種したが、この際、薬液を確認しておらず、この女性に誤って使用済みの注射針を再使用したとみられる。
24人はいずれも2回目の接種で、市はこの女性に再接種するかどうかは、今後検討するとしている。【稲生陽】