ある時は「小学校の英語講師」、またある時は「国際ロマンス詐欺師」の顔を持っていた――。
〈新型コロナウイルス対応で大変な日本の医療機関に20億円を寄付したい〉〈あなたは理想の相手だ〉
「イエメン在住の韓国人医師」と偽り、神奈川県在住の60代女性から現金368万円をダマし取ったとして、いずれもカメルーン国籍で、兵庫県の小学校で英語講師を務めるティバー・スコット・ター(31)と会社員のエコゲ・リョネ・エサンベ(31)両容疑者が12日、詐欺の疑いで兵庫県警国際捜査課などの合同捜査本部に逮捕された。被害総額は少なくとも、約1億2500万円に上るとみられている。
今年2月中旬、「国際ロマンス詐欺」グループの一員であるティバー容疑者は他のメンバーと共謀し、フェイスブックで被害女性に友達申請を送り、その後、LINEでやりとりを繰り返すうちに親しくなった。
〈20億円を荷物に入れて送った〉〈寄付の割合は任せるので、残った分はあなたが使っていい〉
ティバー容疑者らは女性にウソをついて信じ込ませ、「送料」「関税」「荷物の受取人の名義変更」「遅延金」などの名目で女性に金を振り込ませた。女性は20億円のうち、10億円は寄付するつもりで、残りの金が自分のものになるならと現金を振り込み続けたが、いつまで経っても20億円が送られてくることはなかった。
■医者や国連職員、米軍人に成りすまし
ティバー容疑者は大阪府豊中市在住。講師を派遣する会社に勤めていて、詐欺行為をはたらきながら3つの小学校で英語講師をしていた。
これまで栃木、新潟、兵庫、奈良で4つのロマンス詐欺が立件され、カメルーン人、ナイジェリア人、ベトナム人、中国人、日本人16人が検挙されている。
「エコゲは出金役で自分と嫁、知人、ティバーの嫁さん分と計22の銀行口座を使用し、昨年4月から今年3月にかけ、490回の不正出金があった。その総額が1億2500万円です。グループは医者や国連職員、米軍人に成りすまし、イエメンなど中東在住をかたるケースが多い。イケメンの他人の写真を自分の写真として送り、女性に連絡を取り続け、甘いセリフを囁き、相手をベタ褒めする。他にも結婚手続き費用といって、一度も会ったことのない女性から金をダマし取っていた。被害者は女性だけでなく、メンバーが女性に成りすまし、独身男性がダマされるケースもかなりあります」(捜査事情通)
イケメン外国人から突然、友達申請が来たら、用心した方がいい。