2017年に茨城県日立市の県営アパートで妻子6人を殺害し、建物に火を付けたとして、殺人と非現住建造物等放火の罪などに問われた同市の無職、小松博文被告(36)の裁判員裁判の論告公判が17日、水戸地裁(結城剛行裁判長)であり、検察側は「6人もの命が残虐極まりない方法で計画的に奪われ、遺族の処罰感情も強い」として死刑を求刑した。
裁判では、刑事責任能力の有無が争点となった。検察側は、被告が事件に使われた包丁やガソリンをあらかじめ準備していたとして、事件は計画的だったと指摘。弁護側は、被告が事件当時、心神喪失状態にあったとして無罪を主張している。
弁護側は初公判で、被告が勾留中の18年11月に心肺停止となり事件当時の記憶を喪失したと主張。「訴訟能力がない」として公判停止を求めたが、地裁は「意思疎通は可能」と退けた。
起訴状などによると、小松被告は17年10月6日未明、自宅で妻の恵さん(当時33歳)と同3~11歳の子ども5人を包丁で複数回刺し、玄関付近にガソリンをまいて放火、死亡させたとされる。【森永亨、長屋美乃里】