大阪パブ経営者をメッタ刺し 31歳年下の“看板娘”に入れあげた56歳エンジニアの狂気

なぜ、それほど強い殺意を持って襲われなければならなかったのか。

大阪市北区のカラオケパブ「ごまちゃん」で11日午後、経営者の稲田真優子さん(25)が殺害された事件。大阪府警曽根崎署捜査本部は18日、機器メンテナンス会社に勤めるエンジニアの宮本浩志容疑者(56=兵庫県西宮市)を殺人容疑で逮捕した。

稲田さんは2016年から昨年7月まで、JR天満駅近くのカラオケバーで働いていた。宮本容疑者はその店の常連客だったが、今年1月18日に稲田さんが自分の店をオープンさせると、「ごまちゃん」に通い始めた。

「しつこく言い寄ってくる客がいて、困っている。しょっちゅう電話がかかってくる」

稲田さんは、周囲にこう不安を口にしていたという。

14日、遺体となって発見された稲田さんは血まみれで、あおむけの状態で倒れていた。店内に荒らされた形跡はなく、売上金とみられる現金と稲田さんのスマホが残されていた。遺体には鋭利な刃物で切り付けられた傷が首や胸に数十カ所あり、胸の傷は肺を貫通していたことから、犯人は相当な殺意を抱いていたとみられる。

店が入るビルの防犯カメラには事件の前後、宮本容疑者が出入りする様子が写っていた。府警は稲田さんのスマホの解析を進め、宮本容疑者にきのう任意同行を求め、事情聴取を行った。調べに対し、「店には行ったがやっていない」と容疑を否認しているという。

■容疑者には同じ年頃の娘が2人

宮本容疑者は築20年ほどの団地暮らし。近隣住民によると、稲田さんと同じ年頃の娘2人と妻の4人で暮らしている。

稲田さんの知人がこう言う。

「まゆは前のお店でも人気者で、店を辞める直前には多くの常連さんが連日、お花を持って駆け付けとったほど。とにかくお客さん思いの子で、愛嬌があって、律義で礼儀正しかった。スタッフを含めて、みんなから好かれとった。当然、まゆ目当てで店に通うお客さんもおった。そんなまゆの気を、何とかして引きたかったんちゃうかな」

稲田さんは前の店のオーナーともきちんと話し合い、念願だった自分の店を持つ夢を実現させた。オープンしたばかりでも新型コロナ対策に伴う府の要請に従ってカラオケを自粛し、手作りの食事やノンアルコールのカクテルやシャンパンを出して客をもてなしていた。

別の知人がこう言う。

「分かってることはいろいろあるんやけど、とにかく心が痛んどる。何を言うたところで、彼女が生き返るわけやない。親御さんのことを思うと、かわいそうで仕方あらへん」

店が入るビル周辺では逮捕当日も、花を手向けに訪れる人の姿が見られ、たくさんの花束が供えられている。