「難民の日」ミャンマーの平和祈り、涙 帰国拒否のサッカー選手

サッカー・ワールドカップ(W杯)予選のため来日し、帰国を拒否して政治亡命を求めているミャンマー代表のピエリヤンアウン選手(27)が「世界難民の日」の20日、大阪府池田市の寺院で母国の平和を祈り、難民認定と継続的な支援を訴えた。
ピエリヤンアウン選手は5月28日の対日本代表戦で、国歌斉唱の際に3本指を立てて軍政に抗議。6月16日夜に関西国際空港で保護を求め、大阪に滞在している。
ミャンマーは国民の9割が仏教徒。ピエリヤンアウン選手は、自身も17年前に難民認定された支援者のアウンミャッウィンさん(47)=大阪市=と共に池田市の仏日寺(ぶつにちじ、服部潤承=じゅんしょう=住職)を訪れた。読経の際に何度も目頭をぬぐい「不安な日々が続く。亡命したことに後悔はないが、(母国で)命を落とした多くの若者には申し訳ない気持ちでいっぱい。一日も早く平和に戻ってほしい」と語った。
地元の慈善団体を通じ、中古ランドセルをミャンマーに送る活動に取り組む服部住職は「彼の心が休まり、国が平穏になればとお経を唱えた」と述べた。【鶴見泰寿】