「昨年の九州豪雨を思い出した」 降り続く雨に各地で緊張続く

活発な前線の影響で九州・山口は12日、熊本県などを中心に「災害級」の大雨が続き、住民の避難が相次いだ。雨は13日から14日にかけても激しく降る見通しで、各地で緊張が続く。
「入所者を避難所に移動させる準備をしていたら、施設の裏から駐車場に水がバーッと流れてきた。あわてて車椅子ごと抱えて2階に避難させた。10分ぐらいで一気に水位が上がり、昨年の(九州豪雨)被害を思い出した」。熊本県南関町の住宅型有料老人ホーム「関の郷」。ホーム運営者の男性は声を震わせた。施設は12日午後0時半ごろ、裏の川があふれて床下浸水。約1時間半、水につかった。
「十町川(じっちょうがわ)支流の水が近くの道路に流れ込んだ」。同県和水(なごみ)町職員は緊張感を漂わせた。町は警戒レベルが最高の「5」に当たる「緊急安全確保」を発令。避難所を訪れた住民らは落ち着かない時間を過ごした。
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、自治体職員らは避難所の感染対策にも神経を使う。大分県九重町の担当者は「不安はあるが命には代えられない。スペースを確保できる地区の体育館を活用しているので、安心して避難してほしい」と呼びかけた。
13日は交通機関にも乱れが出る。JR九州は同日、九州新幹線の熊本―鹿児島中央間で2時間に1本程度にする間引き運行を実施。鹿児島中央を出た新幹線は熊本で折り返す。博多―熊本間は通常通り運行する。【栗栖由喜、中村園子、河慧琳、吉川雄策】