22日投開票の横浜市長選は14日、告示から1週間がたった。コロナ禍で行われる市内初の選挙戦。人を集めての街頭演説などこれまでの「定石」を使えないため、各陣営は感染対策に腐心しながら、接触を最小限に抑えたりインターネットを積極活用したりして、手探りで支持を呼びかけている。
「コロナ、お盆、暑さの三重苦だよ」
11日午後、JR東神奈川駅でビラ配りをしていたある陣営スタッフの男性がつぶやいた。コロナ禍でも有権者に受け取ってもらおうとゴム手袋をはめているが、中は汗でびっしょり。「外した瞬間にしぶきが飛ぶ」と顔をしかめる。
密を避けるため応援演説も頼まず、地道にビラ配りで候補者をPRするが、手応えは今ひとつ。男性は「どう戦えばいいか。いい知恵があったら教えてほしい」とため息をつく。
別の陣営も、日中の街頭活動は場所や時間の事前告知をしていない。コロナ禍で外出を控える有権者も多いとみて、選挙カーで走りながら人通りの多い場所を探してはビラを配るなどしている。
この陣営のスタッフは全員、抗原検査を3日に1回は受け、感染をいち早く把握する仕組みを取り入れている。費用はかさむが、関係者は「クラスター(感染集団)が起きる方が怖い。何が功を奏すか分からないが手探りでやっている」と話す。
こうしたなか、インターネットを活用する動きが目立つ。ある候補者は12日夜、オンライン会議システム「Zoom(ズーム)」による「オンライン演説会」を開いた。約30人を前に、デジタル都市をテーマに約30分間演説。その後、チャット機能で寄せられた質問に答えた。参加者からは「今まで選挙演説を聞いたことはなかったが、オンラインだから参加してみようと思えた」など、好意的な感想も寄せられた。
選挙戦を前に急きょ、ツイッターのアカウントを取得した候補者もいる。IR(カジノを含む統合型リゾート)誘致に関する考えや選挙戦の様子を動画で見られるようにしているほか、サヨナラ勝ちした横浜高校の甲子園初戦突破をたたえるなど、親しみやすさもアピールする。陣営関係者は「投稿を見て、街頭演説に来てくれた有権者もいる」と手応えを感じている。
突然の大雨など、天候が安定しない夏の戦いにも各陣営は頭を悩ませている。天気予報をこまめにチェックし、雨の中でも訴えを聞いてもらおうと、屋根がある駅前で通勤・帰宅時の有権者を狙って朝夕に活動するなど工夫をこらしている。