香川県綾川町の山林で会社員
小比賀
(おびか)玲央さん(27)の遺体が見つかった事件で、県警は18日、クロスボウ(ボウガン)などで殺害したとして、同僚の水口豪太容疑者(24)を殺人容疑で再逮捕した。捜査関係者によると、水口容疑者は「事件前にボウガンを試し撃ちした」と供述しており、県警は事前に威力を確認したとみている。
発表では、水口容疑者は6月20日頃、高松市の自宅で、ボウガンの矢を発射するなどして、小比賀さんを殺害した疑い。「間違いありません」と容疑を認めているという。
捜査関係者によると、水口容疑者はボウガンについて、「6月中旬にインターネットで購入した」と説明。「事件前に墓地で撃った」とも話しており、この墓地から、矢が当たったような跡のあるレンガが見つかったという。
県警は水口容疑者の自宅などから、ボウガンや使用された矢を押収。小比賀さんの遺体の頭蓋骨には穴が開いており、ボウガンによる損傷とみている。
小比賀さんは6月20日昼頃、家族に「(水口容疑者に)会いに行く」と言って外出。その後、連絡が取れなくなり、7月10日に白骨化した状態で発見された。
県警は、水口容疑者の自宅近くの防犯カメラから、2人が6月20日に一緒に行動する姿を確認。7月28日、水口容疑者を死体遺棄容疑で逮捕していた。
水口容疑者は「遺体を捨てた後、(小比賀さんの)所持品を海に捨てた」と説明。県警は三豊市の海岸付近を捜索している。
再逮捕を受け、高松西署の岡田泰治署長らが18日、県警本部で記者会見。岡田署長は「人の命が奪われた重大事案。遺族への支援を続けていきたい」と語った。
地検は18日、死体遺棄容疑を処分保留とした。
小比賀さんの友人らによると、小比賀さんは水口容疑者と同じ学校を卒業。水口容疑者に誘われ、昨年8月、高松市の電子部品メーカーに入社した。休みの日には、水口容疑者を含め同僚数人で遊びに行くこともあったという。
小比賀さんは明るく、誰とでも打ち解ける社交的な性格で、仲間内ではワイワイと楽しむタイプだった。知人男性は「せかせかせず、のんびりしている印象。すごくショックを受けている」と話した。