「大学では心理学を学びたい」。自宅から遠く離れた山梨県の山中の小屋で遺体で見つかった私立高3年の鷲野花夏(わしのかな)さんは卒業後の進路について、こう夢を描いていたという。
関係者によると、鷲野さんは高校の3年間、茶道部での部活に熱中。3年生になってからは、進学コースで文系を選択し、学業にも力を入れていた。3者面談では心理学を学ぶとの夢を語り、ひときわ、目を輝かせていた。
進学に向け3年の夏休み前に部活は引退。受験に向けた環境を整える中で、事件に巻き込まれた。9月1日に始まる新学期目前の出来事に、校長の男性(68)は「教員一同驚いている」と話した。
知人らも言葉を詰まらせる。近隣住民によると、鷲野さんは祖父母と両親の5人家族。一人っ子で、周囲は大切に育てられているようにみていた。
「行ってきます」「帰りました」。知人男性(76)によると、きちんとあいさつを欠かさない、「いまどきめずらしい、素直な子だった」という。
取材に応じた祖父によると、行方不明となった28日は、祖父には「友人と買い物に行ってくる」「英語の塾もある」と告げ、笑顔で出掛けていったという。
それが、祖父が見た最後の姿になった。「本当に優しい子だった。悲しい。どうしてこうなったのか、分からない」と話した。