アスベスト訴訟、元従業員勝訴 会社に2200万円支払い命令

日立田浦工場(現・日立パワーソリューションズ)の元従業員が、中皮腫を発症したのはアスベスト(石綿)の粉じん対策を怠ったためとして同社に2500万円の損害賠償を求めた訴訟で、横浜地裁横須賀支部(見米正裁判長)は30日、同社に2200万円の支払いを命じる判決を言い渡した。
原告は横須賀市の小山春生さん(80)。判決によると、小山さんは1961年9月から99年3月まで日立田浦工場に溶接工として勤務。発電機の溶接部分にアスベストを巻く作業などに従事した。退職後の2015年12月に胸膜中皮腫を発症し、16年11月に労災認定を受けた。
争点となったアスベスト曝露(ばくろ)による中皮腫発症の予見可能性について、判決は「じん肺法が制定された1960年時点でアスベストが石綿肺発症などの危険性があるとの知見が確立していた」などと指摘。小山さんが勤め始めたころ既に、中皮腫になることが予見可能だったと認定した。
判決後、小山さんは会見し「会社側はアスベスト被害に対し、裁判を起こさなくても補償する制度を構築してほしい」と語った。日立パワーソリューションズは「判決内容を精査した上で今後の対応を検討する」とコメントした。【岩崎信道】