《女子高生死体遺棄》「うるせー、黙れ!」といきなりキレて…“逮捕の20代後半夫婦”が地元で見せた“狂気の瞬間” から続く
「これから2人で生きていきます。探さないでください。探したら容赦はしません」
27歳の息子の部屋に残されていたのは、パソコンからプリントアウトされた小さな1枚の置き手紙だけだった。
東京都内の高校3年生・鷲野花夏(かな)さん(18)の遺体が山梨県早川町の小屋で発見された事件。警視庁は8月31日、群馬県渋川市に住む小森和美(28)、小森章平(27)両容疑者を死体遺棄の容疑で逮捕した。
この事件が発覚する約1カ月前の7月22日未明。章平容疑者は生まれ育った三重県四日市市の実家との縁を切り、妻の和美容疑者を連れ、「夜逃げ」を決行していた。2人は和美容疑者が住む一軒家がある群馬県渋川市に向かった。
章平容疑者の母親が、四日市市の実家で文春オンラインの取材に応じ、当時の様子を明かした。
「もともと和美の家に物を処分しにいくと章平からは聞いていました。しかし、仕事の出勤日になっても章平は戻ってきませんでした」
“夜逃げ”の後、親族のもとには一度も章平容疑者から連絡は来ていない。「そもそもの始まりは今年の2月だった」と章平容疑者の母親は続ける。
「私が夜勤明けで家に帰ってきたら、普段、家でも無口な章平が『知り合いにDVに遭っている人がいるから、迎えに行く』と言うんです。私はよく事情が呑み込めないまま、章平はうちの車で突然出かけていきました。その翌日、章平が連れてきたのが和美でした。和美はどうも住んでいた群馬にはいられなくなった“事情”があるようだったので、章平が言うなら受け入れるしかないかと思い、彼女も我が家に一緒に住むことになったんです。
「とりあえず籍を入れさせてほしい」と頼み込んできた
2人が結婚の意思を持っていると聞いたのは、それから2カ月後のことでした。章平が私に『和美が自分が働いていた元バイト先で週2日働きたいと言ってるんだけど、彼女は身分を証明するものもないし、給料の振込先もない。とりあえず籍を入れさせてほしい』と頼み込んできたのです。本当に和美がその店で働いていたかは知りません」
既に成人している息子のことでもあり、母親は籍を入れることを渋々認めたという。章平容疑者は母親の前で度々「和美の存在が支えになっている」と満足した様子で語っていたというが、徐々に母親との接触を避け、2人だけの世界に閉じこもるようになっていったという。
中学生の弟がいても、下着姿で平気で家の中をうろつきまわる
「和美はずっと家にいるだけで家事も一切手伝うことはありませんでした。いつもぼーっとしているんです。同居している章平の弟はまだ中学生なのに、下着姿で平気で家をうろつきまわる。外で洗濯物を干すときも下着に長めのカーディガンを羽織っただけでした。『誰が見ているかわからないんだから』と注意をしても、『へへ』と笑うのみでした。
和美が住んでいた部屋には、空き缶やペットボトルも散乱していました。『仕事したら?』と言ってみたことがあるんですが、『絵を描いて売る仕事をしてるし、そんなにガツガツ働かなくてもいいのよ』とのらりくらりとかわされました」
前夫がネットゲームでつくった借金の督促状が何通も…
母親が和美容疑者の異変に気付いたのは、奇妙な同居生活が始まって5カ月ほど後のことだった。
「『夜逃げ』の2週間前ぐらいでしょうか、急に渋川市から和美宛てに『子育て支援』の封書が届いて、疑問に思ったんです。章平に聞いたら、『実は和美には、前夫との間に1人子どもがいて、和美の実家に預けているらしい』と言っていました。でもそれも嘘でした。子どもは3人いたんです。章平も後からそのことを知って驚いたようでした。
それまでにも弁護士名義で借金の催促状も何通も来ていて……。封書の中身は見ていませんが、和美は『借金は前夫がネットのゲームで課金して作った』と言ってました。章平は『2人で(借金を)返す』と言ってました。
私が和美に『早く子どもを引き取って、借金を返しな』と言っても、自分の子どもに愛着がある様子もなくて、曖昧な返事ではぐらかすだけでした。『そういうことを言われるのは苦痛だ』って、ある時は言ってましたね。正直、2人で出ていく少し前には、こっちから『出て行ってほしい』と章平に相談しようかと思っていたところでした」
7月22日、冒頭に記した置き手紙を部屋に残し、章平容疑者と和美容疑者は四日市市の実家を出て行った。退職代行のサービスを利用したようで、2人が去った後の7月25日朝、章平容疑者が勤めていた会社に「退職の通知」が届いたという。
今、目の前にいたら刺してしまいたいくらい悔しい
「章平は、繁忙期には夜9時頃に帰ってくる日もあり、仕事は辛そうでした。精神的に追い込まれた時は食生活が乱れて何日も何も食べられない日があったり、夜眠れなくなったりしていました。
あんな手紙を置いて、一旦は逃げ出しても、どうせすぐに生活に無理が生じ、頭を下げて帰ってくると思っていました。章平にとってこの家が、『最後の砦』のような場所であればいいと思っていましたが、そうはならなかった……。
今、目の前に章平がいたら刺してしまいたいくらい悔しい。警察の取り調べに『一緒に犯行に及んだ』と言っているのがどうしても許せない。章平が花夏さんを庇って、遺体になって戻ってきたら、『よくやった』と言えたのに。どうして飛び込んで助けてやれなかったのか。
章平はコミュニケーションをとるのが苦手な子でした。高校では寮生活を経験し、先輩からいじめにあっていました。雨が降る中、外に布団を干されたと聞いたこともあります。母親目線ですが、優しい子だったと思います。
2021年7月に被害者と初めて会ったと供述
高校3年生で中退してしまいましたが、中学時代までやっていた剣道部をやめて、高校でコンピューター部に入ってからは、水を得た魚のように、パソコンにはまっていきました。自分でパソコンを作れるぐらいにのめりこんでました。
『本当はパソコンの知識を生かした仕事に就きたかった』と本人から聞いたことがありますが、それは叶いませんでした。人付き合いは苦手でしたが唯一、SNSだけは自分でいられる場所だったのだと思うけど、なんであんなことをしてしまったのか。どうしても許せないです」
小森夫婦と花夏さん、遠く離れた地域に住む3人を結び付けたのはSNSだった。ようやく見つけた章平容疑者にとっての唯一の居場所が、惨事を生むきっかけになってしまった。
章平容疑者は警察の取り調べに対し、「女子高生と会ったのはこれまでに1回で、2021年7月に妻が友人と会っている間に初めて会った」と供述しているという。
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